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ほえほえ日記

〜フォントサイズ「小」で綺麗に見えるように書いています〜

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2009-10-13-Tue 秋晴れの火曜日 [長年日記]

ジブ

今朝、ジブの夢を見ました。
ちょっと風変わりな夢でした。

さっきまでそこに居た旦那さまの姿が見えません。
どこかに行ったのだろうかと、階段を上がり窓から外を眺めると車がありませんでした。
知らないうちに、車で出かけたのだろうと推測をつけます。
どうしてそういう気分になったのかわかりませんが、1階に戻り道路に出ました。
目の前を通れるはずのない大型トラックが二台横に並んで通り過ぎて行きます。
反対側からは普通乗用車がやはり二台横に並んで向かっていきます。
ぶつかると思った瞬間に、どの車も掻き消えました。

何もいない道路に、うちの車がふいに姿を現します。
私の目の前に停まり、旦那さまが降りてきて「お客様をお連れしたから」と言いました。
来客の予定はなかったはずなのですが……
スライドドアが開いて、誰かが降りる気配。
でも、目には見えないのです。
それなのに、私は「いらっしゃいませ。どうぞ」と案内して家に入りました。
数人の人型の気配が、ざわざわと家の中を歩いている感じなのですが、見えません。

ところが、急に足もとをかすめて2階に駆け上がる気配が。
目を向けると、年老いた小さな小さな女性、幼児ぐらいの体格のひとが、細い剥き出しの手足を床について階段を四つ足状態で上がっていくのが見えました。

階段を上がりきった途端、声が上から降ってきました。
「あんたは、帰るのが遅すぎる。いったいどこで何をやってたんだっ!」
怒鳴る口調で誰かをしかっています。

私は階段を駆け上がり、その人を怒ります。
「いくらお客様でも、いきなりうちの猫を怒らないでくださいっ!」

振り返ったその人の瞳は猫の目で、にやりと笑うと、ふっと姿が消えました。

そして、消えた姿のその先には、ジブの後ろ姿が。
背中を向けたままでした。

寝室の入り口にちんまりと、背中を向けたままだけれどジブが座っていました。
「ジブ」と声を掛けようとしたところで、目が覚めました。

寝室は真っ暗なまま。その暗闇の中で動く気配がします。
くろんと夜が「起きるの?」と、もぞもぞと身体を動かし始めておりました。
夜が「おはよー」と頭をこすりつけてきます。
くろんが、「ふひゃあーあ」と大きなあくびをしました。

涙が出てきました。
ジブはようやく家に帰ってきてくれたのでしょうか?
それでもまだまだ許してくれなくて、背中を向けたままだったのでしょうか?
わかりません。

でも、ようやく、夢の中ではあるけれど、ジブに会う事が出来ました。

あのお客様は誰だったのでしょう。
瞳だけが金色の猫の目で……そう、「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる猫娘に似ていました。
でも、娘ではなく、もっと年老いた老婆に近い年齢に見えました。

不思議な夢でした。でも、たとえ背を向けた姿でも、ようやくジブに夢の中で会えたのは嬉しかった。
ジブを亡くして以来、眠りが浅く、夢なんてひとつも見ていなかったから。
夢でもいいから、会いに来て欲しいと切に願っていたにもかかわらず……。

今朝、この夢を見たので、ようやくジブのことを日記に書く勇気が出ました。
だから、息子たちの日記もこの日記も、日付を遡って記しました。

ありがとう、ジブ。たとえ後ろ姿だけでも、本当に嬉しかったよ。

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